[概要]
私が所属する珈琲同好会の喫茶束では、2日間限定でスペースを借りてイベントを開催した。淹れ立ての珈琲の販売、珈琲をテーマにした展示、ジャズの演奏、フリマを実施し多くの人で賑わった。
私は主にコンセプト作りや企画を担当し、このイベントを「ぱーち」と名付けた。ぱーちとは英語でperch のことで、鳥の止まり木を意味する。ふらっと立ち寄り、落ち着く空間作りを目指した。
[生まれた価値]
第一に、コーヒーを共通言語とした対話の設計である。オリジナルブレンドの飲み比べセットを用意することで、珈琲を共通言語としたコミュニケーションが生まれた。参加者同士が味や香りの感想を語り合うことで、初対面同士の対話のきっかけとなった。第二に、奏者と観客の境界を溶かす空間演出である。また、ジャズ演奏では、楽器経験のない人でもトライアングルなどで気軽に参加できる仕組みを取り入れた。これにより奏者と観客の境界が緩やかに溶け、空間全体に一体感が生まれた。
こうした場を設計した結果、訪れた美大生からは「日々の緊張が解け、一呼吸つくことで制作に前向きに取り組めるようになった」という声が多く寄せられた。評価や競争にさらされる美大生の日常において、自然と会話の中で純粋な「好き」を共有できたことで、互いを認め応援し合えるサードプレイスが生まれたのだ。孤独な制作活動における新たなインスピレーション源となることを実証できたと考えている。