その春、世界中の木という木が薄紅色に染まった。
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Vocal 鏡音リン
Music & Lyrics & Movie せね(https://x.com/sene_tournesol)
Illustration Chaoskosmos
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むかし むかし 春の女神さまが
人間に恋をして
世界をひとつの色に染めた
白い雲の上 いつもより少し 早くに目が覚めた
ああ まだ眠っていられたのに
二度寝って気分にもなれなくて
ひとりぼっち 空中散歩
ぴゅうっと吹いた風の後
覗いた隙間から見えた少年の影
止まることのない時の中で
止まるはずのない心臓が
まるで生き急ぐみたいに
恋を伝えてる
指先から零れ落ちた想いが今
花びらになって青空を舞う
奇跡と呼ばれた小さな恋
観測史上最速の春一番が 世界を駆け抜けて
神話の始まりを告げた
声をかけることもできなくて
黙って見つめるだけの日々
それでも想い募っては
届かぬ声で紡がれるメロディ
止まることのない時の中で
何度だって巡る季節が
産声を上げるみたいに
世界を塗り替える
歌声に込めた小さな想いが今
花びらになって風の中舞う
春を知らせた小さな恋
触れることも 名を呼ぶことも
叶わないまま 季節は巡る
何十度目かの目覚めのあとに
ふと あの人がもうどこにもいないことを知った
止まることのない時の中で
止まるはずのない心臓が
張り裂けるような痛みごと
恋を伝えてる
指先から零れ落ちた想いが今
花びらになって永遠に空舞う
春を象る小さな恋