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ワオキツネザル

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ワオキツネザル

分類:霊長目キツネザル科 シートン大友の百獣画録 第30話「冷え性アマゾネス」    第17話でミーアキャットの朝の日光浴をご紹介しましたが、実はもう一種、毎朝同じことをしている動物が居ます。ワオキツネザルです。マダガスカルに棲むサルの仲間で、第3話のオランウータン、第18話のゴリラ、第26話のチンパンジーに続く霊長類四種目の登場になります。名前の「ワオ」は驚きの感嘆詞ではなく、「輪っか模様のある尻尾」という意味。白と黒の縞模様が交互に並んだ長い尻尾は、一度見れば忘れられません。  ワオキツネザルの群れは、一頭の女王を頂点に、その血縁関係にある雌達が優位に立つ社会です。よその群れとの縄張り争いでも、先頭に立って戦うのは雌達。言わばアマゾネス社会です。第14話のライオンは、タテガミの黒さという「見た目」で雄の序列が決まりましたが、ワオキツネザルの世界では序列を決めるのは見た目ではありません。ニオイです。雌雄を問わず、一番強烈なニオイを出せる個体が群れの中で最も偉い。雌は陰部の辺り、雄は手首や肩の辺りにある臭腺から出る分泌液を縄張りの境界線や自身の体に塗り付け、ニオイの強さで優劣を競うのです。第20話のスカンクは敵を追い払うためにニオイを武器にしていましたが、ワオキツネザルは仲間内の出世競争にニオイを使う。・・・用途が違うだけで、どちらもニオイに人生を懸けていることに変わりはありません。    さて、そんな勇ましいアマゾネス達ですが、ひとつ致命的な弱点があります。冷え性です。ワオキツネザルは哺乳類ですから、本来は恒温動物、つまり自力で体温を調節出来るはずなのですが、その体温調節が苦手なのです。恒温動物の看板が泣きます。朝日を浴びて体を温めないと、まともに動くことすら出来ません。そこで毎朝、群れ全員で日光浴をするのが日課になっています。第17話のミーアキャットは二本足で直立して朝日を拝んでいましたが、ワオキツネザルのポーズは少し違います。座ったまま胸を張るように両手と胸を左右に広げ、太陽に向かって堂々と構えるのです。    縄張り争いでは雌達が先頭に立ち、ニオイの強さで序列を決め、よその群れを退ける。それなのに毎朝、太陽が昇るまでは寒くて動けない。戦場では誰よりも勇ましいのに、朝は誰よりも寒がり。・・・「冷え性アマゾネス」とは、なんとも人間味のある肩書きではありませんか。
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